tPAI・CとtotalPAI-1の臨床意義

Q :tPAI・CとtotalPAI-1の臨床意義は異なりますか。

A :【tPAI・Cの臨床意義】
tPAI・C(組織型プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1複合体)を測定することで、血管内皮細胞の障害や線溶のバランスがわかります。
t-PAは、血管内皮細胞から血中に放出された ると阻止因子であるPAI-1と即時的に1:1に結合したtPAI・Cを形成します。血中PAI-1濃度は、t-PA濃度の5倍と大きく上回っているので、血中に放出されたt-PAのほとんどがPAI-1と複合体を形成していると考えられています。
そのため、血中tPAI・Cが高値を示す場合は、血中t-PA濃度の上昇を意味します。
血中の血中tPAI・C濃度の測定は、線溶亢進や、血管内皮細胞のt-PA産生能などを把握することができます。
tPAI・Cが異常となる疾患としては、DIC、多臓器不全、動静脈血栓症、心筋梗塞糖尿病、脳梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症、原発性肝癌、肝硬変症、敗血症、t-PA治療薬投与後などがあります。

【totalPAI-1の臨床意義】
total PAI-1(トータルプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1)は、血管内皮が刺激されて産生される全てのPAI-1(ActivePAI-1、latentPAI-1、Vitronectin結合PAI-1、酸化PAI-1、t-PA・PAI-1複合体)を線溶の制御因子として測定しています。
したがって、t-PAと複合体を形成していない活性型のPAI-1も含まれて測定します。
血中のPAI-1は、半減期が数分なのでtotalPAI-1で測定した方が安定した結果が得られます。
冠動静脈疾患、肥満、糖尿病、敗血症の時に高値になります。
敗血症、SIRS(全身性炎症反応症候群)などでは炎症性サイトカイン(IL-1、TNF)の血管内皮への傷害により、t-PAの産生が抑制され、PAI-1の産生が亢進し、血栓が溶解しなくなり多臓器不全を起こし易くなります。

※この2項目は、ともにt-PA・PAI-1複合体を測定していますが、tPAI・Cは主にtPAの変動を捉え、totalPAI-1は線溶の制御状態を捉えています。