直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(プラザキサ)について

Q :ダビガトランはどのような薬剤ですか。また、必要な凝固検査について教えてください。

A :ダビガトラン(商品名プラザキサ)は、直接的にトロンビンを阻害する経口の抗凝固薬です。
国内でも2011年3月に発売され、ワーファリンの後継として注目を集めています。
非弁膜症性心房細動への保険適応が認められており、ワーファリンのように定期的なPT/INRでのモニタリングが不要です。
作用機序は、ワーファリンと異なり、直接、トロンビンを可逆的に阻害するものです。
ワーファリンの場合は、V-K依存性凝固因子の産生を抑えることによる抗凝固作用であるため、安定した効果が得られるまでに約1週間を要しますが、ダビガトランは、経口投与後0.5~2時間で最高血中濃度となり、血中濃度に即した抗凝固作用を示します。
ダビガトランの血中半減期は12時間とされています。
このことから、ワーファリンに比べて使用開始から短時間で効果が得られ、術前などに中止する場合も、比較的直前まで使用できます。
さらに大規模試験結果において臨床的に問題となる脳梗塞、脳出血の発生頻度がワーファリンよりも低かったことが報告されています。

一方、ダビガトランに関する問題点としては、・腎機能低下患者への投与・服用の確認(1日2回)・コスト面・効果確認の指標などが挙げられています。

ダビガトランの血中濃度を反映する凝固項目としては、APTTやTT(トロンビンタイム)がありますが、採血のタイミングにより血中濃度が変化するためモニターすることはできません。
また、従来ワーファリンで測定していたPT/INRではダビガトランの血中濃度に対する変動幅は小さい結果を示しています。
モニタリングは不要ですが、APTTの秒数が80秒を超えると出血が多いとの報告があり要注意です。