DICの病態について

Q :DICで出血が起こる場合や、血栓が起こる場合があるのはなぜでしょうか。

A :DIC:disseminated intravasucular coagulation (播種性血管内凝固症候群)

DICとは、何らかの原因によって、血管内で微小血栓が全身性に形成され臓器障害を起こす一方、出血傾向を示す病態です。DICには、必ず基礎疾患が存在します。

正常であれば、血管内で組織障害、血管破綻、活性化が起こると局所的にフィブリンが形成されます。
血管や組織が修復されると、線溶系が活性化して不要なフィブリン血栓を溶解・除去します。
これらの反応は局所的に行われ、正常な状態に戻ります。

DICの場合には、基礎疾患による凝固系の活性化が起こると、血管内皮細胞の傷害とともに過剰に凝固系が活性化されて、微小なフィブリン血栓が全身の細小血管で多発します。
凝固系の活性化に伴い線溶系の活性化が引き起こされます。
基礎疾患の改善がなされない限り凝固系は活性化され続け、悪循環が始まります。

線溶優位型:
急性骨髄性白血病や前立腺癌などでは、線溶系が凝固系より優位に亢進する症例が多く出血傾向が現れやすくなります。

産科的疾患等:
凝固系/線溶系とも過度に活性化され続けます。
凝固亢進状態による血管内微小血栓多発や虚血性臓器障害を呈すると同時に、血小板や凝固因子の消費が著しくなり、消費性凝固障害による出血傾向が現れます。
線溶系の亢進による出血傾向も同時に現れます。

凝固優位型:
敗血症などでは、凝固系が線溶系より優位に亢進する症例が多く血栓による臓器障害が現れやすくなります。